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ポーター氏は、「企業活動とは、ある事業において、購買した原材料等に対して、各プロセスにおいて価値(バリュー)を付加していくことである」と考えました。
すなわち、購買物流←製造・オペレーション←出荷物流←マーケティング・販売←サービス、という各段階において、企業が価値を付けていくことが、企業の主活動である、と捉えたわけです。
また、こうした主活動を支える活動として、企業は、全般管理(インフラストラクチャー)、人事・労務管理、研究開発、調達を行っている、と整理し、これらを、支援活動と名づけました。
そして、「売上」マイナス「主活動および支H利益(マージン)という関援活動のコスト」を示すため、図表幻のように、バリュー・チェーンの最下流にマージンを記載する形で図示しました。
このフレームワークを用いて、「企業が競争優位を確立するためには、主活動における各構成要素の効率を上げるか、競合他社との差別化を図ることが重要である」という主張を行いました。
同氏が提唱したこの「バリュー・チェーン」というコンセプトは、コンサルタントがクライアント(顧客)企業の事業構造を分析し、どの部分で収益を上げ、どの部分に改善の余地があるかを考える際などに、広く利用されています。
マーケティングの「4p」と「4C」特定の事業を考えた場合、「バリュー・チェーン」のうち、フェーズはきわめて重要です。
優れた商品であっても、マーケティングの失敗から販売不振に陥ったり、他社と大差ない商品であってもマーケティングの妙で大いに売れたりすることは、よくあります。
マーケティング活動はどのように行えばよいのでしょうか?「フレームワーク」として有名なのが、アメリカのマーケティング学者、ジエローム・マッカーシーが提唱した「マーケティングの4p」です。
流通(2mB)がマーケティングの要諦である、とする考え方で、これをどのように組み合わせるかが、企業ごとの戦略となるわけです。
そうしたことを考える際の「4p」は売り手の視点(供給者論理)からマーケティングを捉えたものですが、買い手の視点(顧客論理)も重要です。
こうした考え方から、「マーケティングの4C」すなわち、顧客価値、顧客コスト自由、コミュニケーション、利便性という分析の枠組みも生み出されました。
「戦略系コンサルティング・ファーム」の智恵の紹介の最後は、「マッキンゼーの7S」です。
これまで、企業戦略と事業戦略、そして事業にとってきわめて重要なマーケティングに関するさまざまな「フレームワーク」を見てきました。
企業や団体を運営することのむずかしさは、どんなに優れた戦略や商品、そしてマーケティング力があっても、組織全体が優れた、すなわち、エクセレントな存在になれるとは限らない、ということです。
それでは、何が優良企業。
エクセレント・カンパニーとそうでない企業を分けているのでしょうか?「マッキンゼー」のピーターズとウォーターマンは、世界中の優良企業4三社を調査することで、この点を明らかにしようとしました。
そこで、抽出された「7S」は、現在、企業を全体的に診断するときのフレームワークとし「マッキンゼーの7S」とは、@共通の価値観、A戦略、B組織構造、Cシステム・制度、D経営スタイル、Eスタッフ、Fスキルのことを指しますこのうち、A戦略、B組織構造、Cシステム・制度の三つは、経営者が変えようと思えば変更することができることから、「ハードの3S」と呼ばれます。
これらは、手をつけやすいため、企業変革を行う場合にもこの戦略や組織・システムの改革が中心となることが多いのです。
しかし、「マッキンゼー」によれば、優れた企業では、残りの4つのsすなわち、@共通の価値観、D経営スタイル、Eスタッフ、Fスキルで、総称して「ソフトの4S」と呼ばれますを含む七つの要素がお互いを補い、強め合いながら、企業価値を高めている、とされています。
とくに、「ソフトの4S」は、強制的に変えることも短期間に変革することもむずかしいのですが、それに成功した企業が「エクセレント・カンパニー」になれると言われています。
これまで、企業戦略に関する「戦略系コンサルティング・ファーム」の分析の手法とフレームワークについて見てきましたが、読者の皆さんは、どのような感想をお持ちになられたでしょうか?恐らく、多くの方が、「ファクト(事実)をベースに議論をする、とか、数字や論理に裏打ちきれた分析をする、という点は納得できるけど、その分析結果をどう活かすのかな?」「フレームワークというのも、3C、4P、五つの力、7Sと語呂合わせのようなものばかりで、どこがスゴイのかよくわからないな」といった受け止め方をされたのではないでしょうか。
じつは、そうした感想にこそ、「戦略系コンサルティング・ファーム」の素晴らしきと限界が表れています。
世の中には、情報があふれでいます。
企業経営者や組織の運営者が何かを成し遂げようと考えたとき、社内外の情報は膨大に集まってきます。
とくに、近年では、インターネットの普及や、企業によるディスクロージャー(情報開示)の実践により、ライバル企業の財務状況や事業戦略などもwebサイトで簡単に入手できるようになってきました。
すなわち、「情報を持っている」こと自体にはあまり価値がなく、多くの情報の中から真に意味があるものを選択・整理し、そこからどのような意味合いを抽出して、事業戦略や企業戦略に結びつけることができるかが、重要となってきているのです。
この点で、ある課題について、@全体像を把握することAそして、それを構成する要素を正しく分解することBそれらを数字などの事実をもって関連づけることが、まずは大切になります。
そして、それを一覧性があり、誰もがわかりやすい形で提示し、共有化することができれば、それをベースに、新たな打ち手の議論がしやすくなります。
「戦略系コンサルティング・ファーム」が優れているのは、こうした、@ファクト(事実)に基づく分析、A適切な「フレームワーク」を用いた論点の整理、B仮説の構築、といった点です。
また、「コンサルティング・ファーム」は、こうした点を、クライアント(顧客)にわかりやすい形で提示するスキルに優れています。
同じ分析や仮説の提示でも、プレゼンテーションの巧拙で、納得性や説得力に大きな差が出ます。
また、日本人同士の議論では、日本語の持つ暖昧さから、同じ結論に達した、と思っても、実際には違うことを考えていた、というケースがあります。
こうしたことから、事実(できれば数字)に基づいた論点を、定義されたフレームワークや用語を用いて分類・整理して、可視化(見える化)することは、問題解決の前提として非常に重要なのです。
この点において、「外資系コンサルティング・ファーム」のコンサルタントは、一般の日本企業の経営企画・事業企画の担当者よりも一日の長があると考えることができます。
しかし、課題がきれいに分類・整理され可視化(見える化)されただけでは、それが共有化される、という効果はあっても、課題そのものの解決にはなりません。
ここで、「可視化(見える化)」と「問題解決」との関係について、考えてみたいと思います。
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